自分の家族が治療中のため、備忘録をかねて。
弱視とは
実は人間の視力というのは産まれた直後からすぐに見えているわけではなく、成長過程において外界からの適切な視覚刺激をうけることによって徐々に成長していくそうです。通常であれば、生後一ヶ月くらいから徐々に視力が向上し、1歳半くらいまでが成長のピーク、その後、小学生に上がる頃にはほぼ大人と同じ程度の視力まで成長すると言われています。視力の成長は大人になってからも継続するのではなく、8歳頃を過ぎると成長は鈍化(ほぼ消失)するそうです。
弱視とは、何らかの原因によって視力の発達が遅れている、あるいは得られていない状態のことで、そのまま放置してしまうと視力の成長が期待できないだけでなく、眼鏡やコンタクトによる矯正視力も得られない状態になるため(物を見るという感覚そのものが成長しないため)、日常生活に支障をきたす可能性のある病気といえます。
両目弱視の場合はもちろんですが、片目弱視の場合も将来の職業選定に制限が出てくることがあったり、もし健康な方の目の視力を怪我や病気で失った場合、目が見えなくなってしまうというリスクもあります。
発見方法
弱視というのは、もし治らないと重大なリスクを伴う病気なわけですが、その発見はなかなか難しいと言われています。
その理由ですが、まず子供本人はある時突然弱視(目が見えづらい状態)になるわけではなく、産まれてからずっと自分の視力がその状態で育ってきているので気づきにくいという点があります。さらに幼児期の場合、たとえ気づいていたとしても自分の症状を的確に大人(親など)に伝えるのは難しいという点もあります。
そうなると、周りの大人が気付いてあげられるといいのですが、普段の生活に何ら支障がない状態だったり、子供本人は全く異常を感じていない状態だったりすると、それも難しいといえます。
そもそもそんな病気があること自体を知らない状態では、もし仮に子供本人から異常を示すメッセージあるいは行動が出ていたとしても、見逃してしまう可能性が高いでしょう。
※この記事を書いた動機の一つは、弱視について出来るだけ沢山の人が知るきっかけになればと思ったから。
両目をうまく開けない、斜視傾向があるなど見た目で分かりやすい場合だけでなく、以下のような行動をお子さんがしているなど少しでも異常を感じた時は、ぜひ早めに専門の眼科にて検査することをお奨めします。
例)
・テレビや本などを見えづらくしている。あるいは離れて見なさいと言ってもきかない。
・よく物を落とす。
・バランスを崩しやすい。まっすぐの線の上をうまく歩けない。
・キャッチボールが苦手。
・目をよくこすったりする。
・手元での遊びや本を読むのにすぐ飽きる。
上にあげた例は、乳幼児ならありがちな行動パターンではありますが、「もしかして?」と感じてあげることが重要な気がします。
我が家の場合
我が家(息子)の場合、三歳児検診で行う自宅での視力検査で初めて異常に気づきました。
玩具の目隠しで片目を隠しながら、動物などを見せて名前を言えるかなどをチェックする検査で、ある一方の目についてはちゃんと受け答えしているのに、もう片方の目を検査しようとすると、イヤイヤとすぐに止めてしまうのです。
最初はふざけているのかと思ったのですが、途中から段々と不安を感じ、もしかして片目が見えづらいのかもと思ったのが最初の気づきでした。
ちなみに、息子の場合、外見上の異常というのは見られなかっただけでなく、普段の生活でも全く支障があるようには感じておらず、恥かしながら視力検査を行うまさにその瞬間まで息子の目の異常には気づいていませんでした。
そこからインターネットで色々と調べた結果、弱視という病気かも知れないと思い、病院での検査をすることにしました。
まずは、近くの眼科で検査してもらうことも考えたのですが、もし仮に弱視だった場合、専門的な知識のある医師の元、出来るだけ早く治療を始めた方が良いと思い、小児眼科専門の病院を探して検査してもらいました。割と近所に専門病院が見つかったのはラッキーでした。
その結果、息子の場合は、正常な方の目の視力は0.8あるものの、もう片方の目の視力は0.1以下で不同視弱視(左右の視力差が大きいために起こる弱視で、見えづらい方の目は使われなくなってしまい視力が成長しない)と呼ばれる症状であることが分かりました。
その日から弱視克服のための治療が始りました。
参考サイト